原田マハ著
「翔ぶ少女」
原田マハさんの本を読んでみたいと思っていた。
たまたま図書館の棚にあった本を一冊借りて来たら、
阪神淡路大震災で親を失った少女が主人公の話だった。
年齢は次男より一つ上、読みながらいろんな記憶が蘇る。
長田でパン屋を営む幸せな家族、あの時間両親は1階で仕事をしていて、2階でまだ休んでいた子供たち3人だけが助かった。瓦礫で足を挟まれ、助けてくれた医師のおっちゃんと子供たちは暮らす。おっちゃんも妻を助けることができず、その事で息子から疎まれ、一人きりになる。そこから、家族になった彼らの姿、おっちゃんと息子の再生の物語。
元旦から能登半島の地震で、1階部分が潰れ被害にあった家の話を目にすることが多かった。この本の中でも、子供たちの母親が瓦礫の中で顔を出しているのに、助けることが出来ず、火の手が迫ってる。リアルな映像が目に浮かんだ。
避難所になった小学校の体育館、仮設の建物、あの当時の長田街並み、そして復興した街。
主人公の少女は、最後に高校生になって、神戸大学の医学部を目指す。何故か息子の出た学校の意志の強い目をした女の子の姿が浮かんできた。